例えば):
「糖質/インスリン比」が10g/Uで食事に含まれる糖質が80gの場合です。
計算式としては以下のようになります。
食事の炭水化物から計算したインスリン量は上記のように「糖質インスリン比」が10g/Uとして計算すると、
必要なインスリン量は8単位ということになります。
計算式:)
「食事に含まれる糖質量」:(炭水化物量):80(g)÷「糖質/インスリン比」:10(g/U)=インスリン:8単位
になります。
これで、
食前の血糖値が100mg/dlで糖質量(炭水化物量)が80gの食事を食べた時の「インスリン効果値」が3時間から4時間に設定されている場合には、3時間から4時間後に血糖値は100mg/dlになるということになります。
イメージとしては、以下の様な感じになります。
食前血糖値(100mg/dl)⇒⇒⇒(3時間~4時間)⇒⇒⇒食後血糖値(100mg/dl)
上記の赤矢印の間に、
インスリンが効いていて(インスリン効果値)、食後血糖値が最終的に食前とほとんど同じ100mg/dlになるということです。
(仮定2)
ただ、上記のように食前と食後の目標血糖値に差がない時ばかりではありません。
仮に食前血糖値200mg/dlで、食後血糖値の目標血糖値を100mg/dlとしたい場合は、
食事に含まれる炭水化物(量)に応じたインスリン量を計算して求めても、
元々の食前と食後の目標血糖値に100mg/dlの差があります。
こういった場合には血糖値は先述した計算では血糖値は高いままになってしまいます。
「インスリン効果値」が50g/Uと設定した場合は、
インスリン1単位で血糖値が50mg/dl下がる計算になります。
計算式としては:
計算式:)
「食前の血糖値」:200mg/dl÷「インスリン効果値」:50(mg/U)=インスリン:2単位
なので、
食前と食後の目標血糖値の差が100mg/dlあった場合には+2単位のインスリンが必要になるということになります。
簡単に表すと以下のようになります。
食前血糖値:200mg/dl⇒⇒⇒3時間~4時間後⇒⇒⇒食後の目標血糖値:100mg/dl
上記の赤矢印の間に、
インスリンが効いていて(インスリン効果値)、食後血糖値が最終的に食前とほとんど同じ100mg/dlになるということです。
ただし、ここで注意なのが上記は、
あくまで200mg/dlの食前血糖値を食事を取らずにインスリンを2単位打って目標値になるということです!!
なので食事を摂る際の計算としては…。
上記の(仮定1)の計算と、
(仮定2)の計算を、
合わせてインスリンを打つ量を決めて食後の目標血糖値になるようにします。
そうすると以下のような計算式になります。
食前血糖値:200mg/dl⇒⇒⇒(3時間~4時間後)⇒⇒⇒目標血糖値:100mg/dl
にするには、
(仮定1)の計算での炭水化物量80gを含む食事を取って、
(仮定2)のように実際の食前血糖値が200mg/dlの場合には、
食事に含まれている糖質(炭水化物量):80gを下げるのに必要なインスリン量は上記の計算より8単位と出ています。
ここで、
(仮定2)のような状態の場合は血糖値を100mg/dl下げる場合(下げたい場合)に「インスリン効果値」を元に上記の計算より2単位で100mg/dl血糖値が下げられるということがわかっています。
なので、
まとめますと。
- (仮定1)での計算式より求められた食事に含まれている炭水化物量(糖質量)に必要なインスリン量8単位と、
- (仮定2)のようなこともしばしば起こりえるので、そのような場合には上記の計算より求められたインスリン量2単位の、
両方を鑑みて食後血糖値の目標値にするようにします。
この場合は、
食事に含まれている炭水化物量(糖質量)に必要なインスリン量8gと、食前の血糖値がちょっと高いので食後血糖値の目標値にするための追加(+α)の2単位で合計10単位のインスリン量が必要ということになります。
このように、
血糖値が高かった場合など(血糖値が低かった場合は逆になります。)は、
今回ご紹介した「応用カーボカウント」という計算によって必要なインスリン量を求めることを言います。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、
「インスリン糖質比」と「インスリン効果値」が決まってくて炭水化物量がわかると比較的簡単になります。
従来のカロリー計算による計算でも良いかと思われますが、今後はカーボカウントという血糖コントロール方法が主流になってくると思われます。
実際に西日本においてはほとんどが「カーボカウント」になってきています。
-「糖質/インスリン比」「インスリン効果値」を用いた計算の流れについて, カーボカウント, 応用カーボカウント, 糖尿病